雅楽川社長が群馬銀行で基調講演

雅楽川社長が群馬銀行で基調講演
女性行員のステップアップを後押し!

群馬銀行の研修所で、2月6日、女性行員を対象とした研修が開かれ、COCO-LO社長の雅楽川陽子さんが基調講演を務めました。講演のタイトルは、「COCO-LOの事例を通して、自分の活かし方、課題への向き合い方、キャリアの築き方について考えていただけると嬉しい」。少々長いこのタイトルに込めた、雅楽川社長のメッセージとは――。

取材・撮影/阿部 奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

群馬銀行は女性の多い職場です。COCO-LOの事例が役に立つのでは!と、張り切って会場に向かった雅楽川社長。
ファッションは白のジャケットに桜色のロングスカート、ピンクのハイヒールという春らしい装いをチョイスしました。
「若い女性参加者が多いので、爽やかで柔らかいイメージを意識しました」と言います。

プライベートが楽しくないと仕事も楽しくない

講演の内容は、雅楽川社長自身がどのように仕事とプライベートを両立してきたかという具体例から入りました。そして気付いたのは「プライベートが楽しくないと仕事も楽しくない」ということ。

それには、どんなことでも面白がる知恵が必要です。雅楽川社長は、33歳で第一子を儲けてからは、「ママ友という今まで知らなかった世界観に触れることができたのが面白くて。今では志願してPTA本部役員を務めています。みんな役員になるのは嫌がるものですが、誰でもそのとおりにやればできてしまうPTAマニュアルを作成しました」。
仕事で活用しているしくみづくりのノウハウをPTAの世界でも生かしてしまったという話には、会場からほほ笑みが洩れました。

壁を乗り越える度に成長があった

経営者としては、今までに3つの大きな壁があったと言います。
第1の壁は起業直後に正社員が2人、同時に妊娠したこと。利用者さんからの依頼に応えられないほどの超人材不足に遭遇しました。
しかしその壁があったからこそ、社内託児所が生まれ、スタッフが自分の勤務体制を選べるというしくみができました。働きやすい職場COCO-LOとしてのスタートが切れたわけです。

第2の壁はスタッフ同士のけんかや派閥、離職に悩まされたこと。
社長なのに言いたいことも言えず、周りの顔色を見ながらおどおどと生活していた時期もありましたが、「スタッフは全体の10%まで離職してもらってもいい。自分の言いたいことを言おう」と決めたことで乗り切ったと言います。

第3の壁は、様々な賞を受賞したことでスタッフが浮かれてしまったこと。「中小企業なのにどこかの大企業だと錯覚してしまったのでしょう。原点に戻ろうと考え、会社の理念を設定しました」

マインドマップで頭を整理
時間管理で日々を充実

「女性は感情的になりやすい。私も同じです。壁にぶつかり、頭の中がいっぱいになってしまったときに活用するのがマインドマップです」、そういって、マインドマップの書き方についてのミニワークショップを行いました。

紙の真ん中に「こうなりたい」「こう解決したい」という目標を書き、続いて上下左右に4つの線を引いて、キーになる言葉を記します。そこに関連する言葉をつなげていくことで、頭の中がスーッと整理できるのだそう。これは働く女性はぜひ活用したいツールです。

参加者が特に、興味を示したのは時間管理について。「仕事、家事、子育て、遊びなど、女性にはやるべきことがたくさんあります。うまく時間管理をしないと、今日も何もできなかったという後悔ばかりになりがちです」と雅楽川社長。
COCO-LOでは全スタッフにオリジナルの手帳を配布し、時間管理のセミナーなども開いているそうです。
「やるべきことをTo Doリストに書き出し、それを時間軸に落としていく。自分の一週間を見える化することが大事」という言葉に、大きくうなずく参加者たち。

仕事をする上での女性の強みは?

最後に参加者からの質問が寄せられました。
「仕事を続けていくうえで、女性の強みとは何でしょうか?」という質問には「女性は気持ちがコロコロと変わりやすい。それは柔軟性があるということ」と雅楽川さん。「うまくいきそうだと思ったらすぐに実行し、ダメそうだなと思ったらすぐに止める。私はそうやってCOCO-LOを成長させてきました」と話してくれました。

また、社会人になって3年間は給与の1割を自分の勉強に充ててきたという雅楽川社長の記事を読んだことがあるという女性行員さんからは「今もそうしているのですか?」との質問が寄せられました。
「経営者になってからはさらに勉強をしています。自宅のキッチンの横に勉強部屋をつくり、一面は本棚に改造しました。本を大量に買い、早読みして役に立つと思ったもののみをじっくり読み込むスタイルです」と雅楽川社長。

講演が終わり、参加者からは、「説得力があり、心に染み入る言葉がたくさんあった」「自己啓発に力を入れているという話を聞き、自分も頑張ろうと背中を押してもらった気分」といった嬉しい感想が寄せられました。

 

Top