ココロの防災対策~利用者さんの安全を守るために

~防災のはなし~

新しい年が始まりました。昨年は各地で想像を超える天災が相次いだ一年でしたね。災害は、いつどこでどのように発生するかわかりません。大きな災害は少ないと言われていますが、「群馬は安全」と思い込むのは危険な考えかもしれません。

 ココロでは東日本大震災の混乱を機に、防災チームを発足しました。2万2千人以上の犠牲者を出した東日本大震災、犠牲になった方の半数以上は65歳以上の高齢者だったそうです。大切な利用者さんの安全を守るため、防災チームを中心に、日々さまざまな取り組みを行っています。

【災害時に大切な三助】

①自助
②共助
③公助

 漢字から、ある程度の意味がわかるかもしれませんね。「自助」は、災害時にはまず自分自身の命は自分で守るということ。「共助」は互いに助け合うこと。ココロでの取り組みもここに含まれます。「公助」はさらに範囲が大きくなり、公的機関が個人や地域では解決できない災害の問題に対処することを指しています。

 災害時の対応はどれか一つだけあればよいのではなく、自助、共助、公助の全てが大切だと言われています。速やかに最善の行動をとるためには、一人ひとりがまず防災に対する意識を持ち、知識と実践力を身につけることが必要です。

【防災チームの取り組み】

ココロの各事業所にそれぞれ1名、防災担当スタッフがいます。消防職員として42年間勤め上げた吉野さんが中心となって、その知識と経験を活かした防災・防犯訓練、交通指導などを積極的に行っています。
「今までは避難訓練なども規定通り、通りいっぺんのものでしたが、吉野さんの参加によってがぜんレベルが上がりました。スタッフの意識も高くなり、活動は広がっています」(ココロスタッフより)

 一口に防災と言っても地震、洪水、火災など想定はさまざま。場面によって対処は違いますし、避難の方法も変わります。事業所ごとに年4回ほど行う場面ごとの避難訓練や講習会をはじめとして、非常用持ち出し袋など物資の配備・点検、「防災だより」など掲示物による広報活動など、こまめに取り組んでいます。また、不審者対応の防犯訓練や交通指導にも力を入れており、桐生地区優良安全運転管理事業所に選ばれています。
「事業所が離れていて全体で集まる時間はなかなか取れませんが、掲示板アプリケーションを各事業所で共有し、情報を全体に周知する工夫をしています」(防災チーム・田中さん)

~もしもの時に~

【火災時の対応】

火災はあってはならないこと。火の用心が一番ですが、大地震の際は火災による被害の拡大も心配されますし、身近に起こりうる災害のひとつです。
もし出火してしまった場合、初期消火がとても重要です。

①119番通報
②初期消火
③避難(誘導)

この3つが同時にできるのが理想です。そして火が自分の身長を超えたり、天井までいってしまったら即避難!しましょう。
ココロでは消防職員を招いて避難訓練を行っています。アットの利用者さんにも可能な方には訓練に参加してもらい、避難経路の確認などを徹底しています。
訓練で水消火器を使った体験もします。いざという時パニックにならないよう実施訓練は大切です。消火器が重たくてレバーをうまく握れないときは、消火器を下に置いて体重をかけるようにしてみてください。握りやすくなります。

【不審者から身を守る】

今の世の中、防犯も重要です。相模原障碍者施設殺傷事件をきっかけに、さすまたを二本ずつ各部署に配備しました。警察官を招いて行う防犯訓練では、相手と距離をおいて安全に対応することができる「さすまた」を使って不審者を取り押さえる訓練をしています。

【応急手当】

 病気や事故などで心停止になった人を救うには、救急車が到着するまでの間に、そばに居合わせた人が速やかに心臓マッサージなどの応急手当を行う必要があります。
 「いざというときのために、普通救命講習を年1回実施しており、消防署の協力により今年もスタッフ約35名が受講しました。もしもの時、心臓マッサージやAEDなどを 体で覚えることが何よりも大切です。」(防災チーム・吉野さん)

【防災チームメンバーから一言】

吉野澄良さん
「消防で培った知識で少しでもお役に立てればうれしいです。利用者さんを預かっているわけだから、利用者さんの安全が第一です。スタッフ一人ひとりが防災に対して意識を高く持ち、一致団結してこれからも取り組んでいきたいです。最近運動不足なので、来年は健康管理、自己改革も本気で取り組みたいですね」
・ココロ歴4年目。防災・交通担当。消防職員を定年後、入職。デイサービス送迎のかたわら、前職の経験を活かして防災活動に携る。

田中聖之さん
「自分は防災に関しては素人でしたが、まず知ることが大事だと痛感しています。いつ起こるかわからない災害について、興味をもって考えてみること。年4回の訓練や講習会は、スタッフが防災を意識するよい機会です。定期的な良い習慣が出来ているので、来年もぜひ継続していきたいと思っています」
・ココロ歴5年目。理学療法士。学生時代はテニス、バドミントンに打ち込む。ココロでの臨床実習を経てそのまま就職。訪問で利用者さんと向き合う日々を送る。

あってほしくはないですが、大きな災害が起きたとき、公助の手が届くまでにはどうしても時間がかかります。まず必要なことは自助・共助。自分たちの命を自分たちで守ることです。ココロでは利用者さんとスタッフの大切な命を守るため、これからも防災への取り組みに力を入れていきます。

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