知識を身につける
医療技術や処置方法の最新知識は、日々変化していきます。訪問看護やデイサービスの現場でも、最新の処置方法をご提供できるよう、最新の知識を身につけなくてはなりません。
COCO—LOでは職種別勉強会を開催しており、今回は各事業所から看護師11人が集まりました。
テーマは「褥瘡の処置方法」について。
講師に桐生厚生病院皮膚・排泄ケア認定看護師の大谷内先生を迎え、最新の処置事情を教えて頂きました。
60分という短い時間でしたが、様々な褥瘡の写真からそれぞれ処置方法を確認し、訪問時に目にする様な事例も多く、具体的な相談ができました。現在担当している方が抱える褥瘡についても、看護師同士で処置方法の相談ができました。また、訪問看護は主治医との連携が重要です。処置方法について的確な指示をもらうため、主治医と上手に連携していく方法も相談できました。
褥瘡のできる原因・予防方法は?
褥瘡(じょくそう)とは、「床ずれ」と言われることもあり、寝たきりや長時間同じ姿勢でいることで、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり、更に皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。
圧迫をいかに分散させ、皮膚に動き(擦れ)が出ないかが褥瘡を予防する上で重要になってきます。標準のマットレスをお使いの場合は、原則として2時間ごとに体位変換が必要になってきます。発赤(皮膚に赤み)があれば、体位変換の間の時間を短くします。
具体的には・・・
・背上げの際は、腰の位置をセットし、足を20度くらいあげ、最後に頭を起こすようにすると良い。
・背上げは30度以下の姿勢が好ましい。
・背上げ・背下げ後は、「背抜き」をする。
・寝衣やシーツの乱れ、シワの確認。
※背抜きとは、ベッドから上半身や足を離し、手で空気を入れるように動かし、はりついた力を解放させます。
圧迫や擦れに注意するだけでなく、栄養状態の向上を図り、皮膚の状態を良くすることがとても重要です。
お肉やお魚などタンパク質の摂取が減少してしまうと、皮膚の栄養状態は下がり褥瘡ができやすくなります。お肉やお魚の代わりに大豆製品でタンパク質を摂取して頂くのも良いです。食事が取れない時は栄養ドリンクを飲んで頂くことがあります。
褥瘡は年齢に関係なく、若い人でもできてしまいます。健康で清潔な皮膚状態を保つことで、褥瘡を防ぐことができます。
COCO—LOができること
処置に使う褥瘡用のガーゼや寝具などは単価が高いため、ご利用者様の負担にならないよう、当社の看護師は代用できるものを提案しています。代用品になる物のアイディアや、市販の中から探すなど、大谷内先生と当社看護師で話し合うことができました。
また、病院の最新褥瘡用品として、除圧枕やエアマットを紹介してもらい、早めにこのような褥瘡用品を取り入れることも必要あることを共有できました。
早期発見と、早めの処置を行うことが、褥瘡の進行を防ぐ鍵になってきます。発赤を早めに見つけ、最新の処置をすることは、看護師だからできる仕事です。
利用者様の健康を守れるよう、今後も知識を増やして行きます。