訪問看護は高齢者だけではなく小児も利用できることを知っていますか?「訪問看護ステーションココロまえばし」は子育て経験のあるスタッフが8割。その知識や経験を生かし、小児の利用者さんの訪問に力をいれています。どんなケアをするのでしょう?作業療法士のSさん、理学療法士のKさんにお話を聞きました。
取材/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)
退院後のお子さんを自宅でリハビリ
—— 訪問看護を利用しているのはどんなお子さんですか?
Sさん 先天的な疾患であったり、後天的な理由で、運動面や精神面の発達がゆっくりなお子さんが中心です。看護師と連携して、体調確認をしながらそのお子さんにあったリハビリをしています。今までご利用いただいたお子さんには週に3回利用してくださる方もいました。
—— どんな経緯で、訪問看護を利用するようになったのですか?
Kさん お子さんが入院中、病院のソーシャルワーカーから「退院後のご自宅でのリハビリをお願いできますか?」と、私共のところにお話をいただきました。主治医の先生と連携し、指示書をいただき、、訪問看護スタートとなっています。
—— 訪問看護の費用はどのくらいかかるのですか?
Sさん 群馬県福祉医療費支給制度(医療費自己負担額の無料化制度)の利用が可能なため、訪問スタッフの交通費のみです。1回の訪問につき、100円になります。
保護者に寄り添い不安を取り除く
—— 訪問看護ではどんなことをしているのですか?
Sさん ご自宅のオモチャを使ってリハビリすることが多かったですね。お母様のお話しをよく聞き、不安に思われていることの対処にも力を入れました。例えば、「寝返りができなくて心配」と聞いたときは、音のなるオモチャで誘導して寝返り動作のサポートをしたりしていました。
Kさん 私も同じです。お子さんの使い慣れたオモチャを使ってリハビリをし、お母様の心のケアも大切にしています。私にも1歳の子どもがいるので、同じママの立場として共感する部分も多いです。不安を取り去っていただけるよう、しっかりお話を伺うようにしています。
—— Sさんも子育て中だとお聞きしました。
Sさん はい。小4、小1、2歳の3人の子どもの母です。離乳食の味付けや作り方のご相談などは、自分の経験を生かしてお答えしていました。
—— 自宅を訪問してリハビリをしてもらえると、保護者の方の時間的な負担も減りますね。
Kさん そうですね。送迎の時間、病院で待つ時間などが不要になります。スタッフが訪問している間は、お母様の息抜きの時間にもなります。家事をすませたり、ちょっとお茶を飲んだり。毎日の生活で大変なことも多いので、なるべく訪問で伺っている時間は力を抜いてほしいなと思っています。お子さんも慣れた自宅なので、場所見知りしないという長所もあります。
—— 最後に、保護者の方から言われてうれしかった言葉を教えてください。
Sさん 「相談を聞いてもらってすごく気持ちがすくわれました」という言葉が忘れられません。
Kさん 私たちは毎週訪問しているので、前の週にできなかったことが、次の週にできるようになっているとすぐに気づきます。「〇〇ができるようになりましたね」とお母様に伝えたとき、「そうですか、毎日見ているからわからなかった」と、安心していただいた時はうれしかったですね。
ありがとうございます。
小児の訪問看護、もっと多くの方に知ってもらい、利用してほしいですね
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