【TOPICS】悔しい気持ちをバネにして

この記事は、ココロ日和2018年冬号に掲載されたものです。

ココロガーデンをご利用中の丸岡義治さんは、笑顔が素敵な明るい人柄で「丸さん」という愛称で親しまれています。得意のパソコンを活かし、ホワイトボードで使うマグネットや、他の利用者さんが取り組める易しい独自のナンプレを作成してくれるなど、ガーデンで大活躍しています。

そんな丸さんとの出会いは、ガーデンが平成24年の秋にオープンして間もなくのことでした。ご利用開始にあたり、ご本人の希望欄には「右手で箸が持ちたい」「右手で字が書きたい」と記されていました。病気によって右半身に麻痺が残り、日常生活で当たり前にできていたことが、突然できなくなってしまったのです。

突然失ってしまった、当たり前だった日常

「真っ暗闇に落とされ、心が折れ、自暴自棄になった。生きていく気力さえなくなった。」

丸さんは当時をそのように振り返ります。妻の賢江さんも「もっと早く救急車を呼んでいれば…」と後悔していたそうです。

丸さんにとって一番辛かったことは、付き合いのあった友人や周りの人たちが腫れ物に触るかのような態度になってしまったことだと言います。しかし、その辛さがバネとなり「他人は変えられないけど、自分は変われる」「自分には左手が残っている」と考えるようになり、立ち直るきっかけとなりました。

辛い気持ちをバネに、夫婦で支えあいながら─

真っ暗闇から這い上がり、真剣にリハビリを始めた丸さん。賢江さんも一番近くで見守り、支え続けました。「手を出してやるのは簡単だけど、本人のためにならないから。口は出すけど、手は出さない!」と、日常生活の中でもリハビリができるよう徹底したそうです。

ガーデンのご利用開始から約5年が経ち、字を書くための練習ノートは右手用と左手用を合わせて50冊を超えました。当初は新聞紙を四つ折りにして大きく「あ」を書くのがやっとでしたが、今では1cmマスのノートに文章が書けるようにまでなりました。


▲練習の成果が表れ、徐々に精度が上がっています。

ほかにも筋力がついたり、麻痺の影響で不安定だった喋りがスムーズになってきたりと身体面の変化だけでなく、頑固だった性格が優しくなったことも実感しているそうです。右手を使うにはまだ左手を添えて動かす必要がありますが、再び右手が使えるようになりたいという目標に向けて、毎日リハビリを続けています。

昨年8月より賢江さんもガーデンを利用することになり、現在はご夫婦そろって仲良く通っています。丸さん、今後はますます頑張らないとですね!

 

Top