ありし日の大切な想い出を語り合い、大切な人への想いを共有し合いましょう――。
6月25日に桐生市の「ココロアットホーム」、7月1日に前橋市の「ココロデイサービス」で「思い出を語る会」が開かれました。
桐生会場に参加した看護師の丹羽美礼さんにお話を伺いました。
取材/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)
残されたご家族、どうしているかな
ここ数年に亡くなられた利用者さんのご家族に手紙で参加を呼び掛けたところ、7人の方がいらしてくれました。ココロのスタッフは11人が参加。
「利用者さんが亡くなるとサービスは終了します。その後、ご家族とお会いする機会はほとんどありません。どうしているのかなあ、そんなスタッフの声がきっかけとなり、会を開くことになりました」と丹羽さん。
また、「自分が学んだグリーフケアでご家族に寄り添うことができるかもしれない」という思いも丹羽さんにはあったそうです。6年前、ご家族を亡くし、「持って行き場のない気持ちを整理できれば…」とグリーフケアの勉強をスタート。日本グリーフケア協会の資格、グリーフケアアドバイザーも取得しました。
心の中にある悲しみを認め、その気持ちを吐き出すことがグリーフケアでは重要です。思い出を語る会はその役割を担うものでした。
悲しみは言葉にすると楽になる
まずは参加者全員の自己紹介からスタート。次に、ご家族と担当スタッフが組になり、 利用者さんの形見の品や写真を持ち寄って、思い出を語り合いました。
「印象的だったのは、義理のお父様を亡くされたお嫁さん。自宅で熱心に介護をされていました。私が作った食事指導のパンフレットを持ってきてくださり、『義父が亡くなっても捨てられなくて。ほかの方に使ってください』と…。胸が熱くなりました」と丹羽さん。
そして最後に、語り合った内容をみんなの前で発表。参加者全員で故人の思い出を共有し合いました。当初1時間の予定でスタートした会でしたが、気付いてみたら1時間30分が経過していました。
帰り道はみなさん、すっきりした爽やかな笑顔。「一人で抱えているとモヤモヤする思いも、言葉にすると楽になります。それも、亡くなった方のことをよく知る人同士で話すと、共感力が違います」と丹羽さんは言います。
第1回「思い出を語る会」は大成功で終了。ご家族にとってもスタッフにとっても忘れられない日になりました。「これからも1年に1度くらいの割合で開いていきたいと思います」と丹羽さんは話してくれました。
本格的な美容サービスや、趣味を活かしたアクティビティなど、皆さん若々しく過ごされています。
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