2009(平成21)年5月に誕生した「ケアプランセンターココロ」。設立15年目で14周年になります。でも、意外に知られていないのが「ケアプランセンターってどんな仕事をしているの?」ということ。同センターに所属しているケアマネージャー(以下、ケアマネ)、YさんとHさんに話を聞きました。
■取材/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)
——ケアプランセンターココロには何人のスタッフがいるのですか?
Yさん 3人です。私とHさんとKさん。全員、ケアマネです。桐生市のココロ本社2階で仕事をしています。
——業務内容を教えてください。
Hさん 介護保険の申請のお手伝いをしたり、利用者さんの状況や希望を伺って、ケアプランを作成します。また、ご相談や状況に応じて定期的に見直しを行い、更新やプラン変更のお手伝いをしています。
——お二人がケアマネになろうと思ったきっかけは?
Yさん 私は以前、病院勤務の看護師でした。病院という限られた時間では、患者さんに「こうしてあげたい」という理想のケアを完成させるのは難しいと思い、ケアマネの資格を取りました。ケアマネなら、もっと広い範囲でそれから先の人生をお手伝いできるのではと考えました。
Hさん 私は福祉の学校を出て、介護士としてグループホームに勤務していました。8年ほど実務経験を積み、もう一段階、ステップアップしようと思って、ケアマネの資格を取得しました。利用者さんやそのご家族と密にかかわり、より専門的な介護の相談にのることができて、いまの仕事はとても楽しいです。
——ケアプランセンターココロに勤務して、一番心に残っている出来事は?
Yさん 高齢のご夫婦を担当し、予防支援からご自宅で最期を迎えるまで、約10年間、かかわらせていただきました。支援終了後に、娘さんから「ケアマネがあなたで良かった」と言われた言葉が忘れられません。体の状況が急変した時期が何度もあって、支援内容も変更の連続でした。介護保険外のサービス、例えば行政の障がい者福祉サービスや医療保険などと連携することも度々。私自身、勉強させていただいたなあと思っています。
Hさん 私は、80代の利用者さんから「ありがとう」と言ってもらったことです。
自宅で転倒し、寝たきり寸前になりました。介護保険を使ってデイサービスでリハビリをするのがいいと考えたのですが、ご本人は「介護保険など要らない」「デイサービスなど行きたくない」の一点張り。1年かけて説得して、認定申請をしてもらい、さらに2年間話し合いを重ね、デイサービスに通い始めてもらいました。いまでは、自宅で無理なく生活できるほどに足の筋力が付きました。そのうえで本人から「ありがとう」の言葉をいただいたのです。こんなうれしいことはありません。
——デイサービスに抵抗を感じる方もいらっしゃるみたいですね。
Hさん 昔の、みんなで歌を歌ったり、製作したりというデイサービスのイメージが強いようですね。「運動や体のリハビリをするために、一度、デイサービスの見学や体験をしてみませんか」と言ってお連れするのがいいかもしれません。
——ケアマネとして大変なことは?
Hさん ご本人とご家族の意見が合わないとき、どうすり合わせをしていくか、ですね。それぞれの意見をお聞きして、両者が納得する方向に持っていくのが重要です。主治医や利用しているサービス提供者の意見も聞き、それをまとめて、ご家族やご本人にお話しするようにしています。
——最後に、ケアプランセンターココロの目標を、お話しください。
住み慣れた環境でその人らしく過ごすための介護を、介護者ひとりが頑張りすぎないように、お話をよく聞いて幅広いプランの提案や、介護者教室の開催など、ご本人ご家族にとってより良いサポート役になることを今後も目標にしていきたいです。
参加しよう!介護者教室
——コロナ前まで毎年開催していた介護者教室を復活させるそうですね。
Yさん はい。3年ぶりに、7月に開きます。介護をするご家族は心身ともにストレスを抱えがちですし、頑張りすぎて疲れ切ってしまう方もいます。同じ悩みを抱える方同士が集まって、気持ちをほぐすきっかけになればと思います。今回の介護者教室では、デイサービスで取り入れている運動をし、その後、座談会を予定しています。約1時間の教室です。ぜひ多くの方にお出でいただければと思います。