揺らめくいのち
6《企業》治療休暇、経営戦略に
「妊娠には母体が整っていることが大切」。社内制度「チャイルドプラン」はこうして産声を上げた。
対象は、①35歳以上②勤続7年以上③妊娠を意識して3年以上④体外受精を3回以上経験しているーなどの社員で、1カ月単位で最大1年間の休みが取れる。給料は出ないが、社会保険は加入したままになる。
制度はすんなり導入できたのか。
「うちは産休育休で休む人が多い。『人がいない』ことに慣れていて、(不妊治療で休む人がいても)誰も驚かない」と雅樂川社長は説明する。社員約100人の9割は女性。うち1割が、毎年のように産休育休などを取る。こうした事情から、人員をどう活用し、サポートし合うかが日常風景になっている。
雅樂川社長は社外から、同じような制度をつくってほしいと頼まれることがある。企業経営に負担のない素案を示しても、最終的にトップが「待った」をかけることが多いという。「つくることで良い人材が集まり、気持ちに余裕を持って働ける。福利厚生だと思わず、経営戦略の一つだと捉えてほしい」と思う。
「人生いろいろ。(不妊治療を含め)さまざまなことがあり、それを『普通』だと思えるような社会になっていければ」
(上毛新聞より一部抜粋しました)