【車椅子でお出かけ】足腰が不安な人も大丈夫! 話題の「白井屋ホテル」で食事を楽しむガイド

群馬県前橋市の中心市街地にある「白井屋ホテル」は、約300年の歴史をもつ老舗旅館が廃業後、その跡地を再利用し新たに創業したホテルです。昨年12月、日本を代表する建築家・藤本壮介さんをはじめ、国内外のアーティストやデザイナーの手によって、驚くべきアートホテルに生まれ変わりました。素敵なレストランもあります。「話題のスポットへ行ってみたい。でも足腰が弱いから不安」という方のために、車イスを持参して、様々な角度から検証を実施。「白井屋ホテル」で安心してお食事を楽しむためのガイドをします。

取材・執筆/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

 

まずはアクセス方法から。白井屋ホテルは、北は馬場川通り、南は国道50号線に面して建っています。最寄り駅はJR前橋駅ですが、徒歩15~20分ほどかかります。タクシーまたは車での来訪が安心です。ただし、専用駐車場はないため、近隣の有料駐車場を利用することになります。その際には、国道50号線沿いにある駐車場を選ぶとよいでしょう。

 

ホテルの南側と北側にスロープは設置されています。北の馬場川通り側のスロープは景色はいいのですが、かなり急で距離が長いためです。

 

オススメは国道50号沿いにある駐車場「タイムズ前橋本町」を利用すること。平坦な道を3~4分歩けば、ホテル入口に到着します。駐車料金は60分220円ですが、平日770円、土日祝550円と1日最大料金が定められているのは嬉しいポイント。

 

ホテルの入口付近の壁に早速、アートを発見しました。イギリス生まれで、現在ニューヨークで制作活動をしているリアム・ギリックの壁画です。3頭の馬とそれに乗る巡礼者たちがさかさまに描かれています。車イスに座ると、自分の顔の位置に巡礼者の顔が来て、何かささやかれているような気持ちになるから不思議です。

 

入口を入るとすぐに受付があります。その前に、1段小さな段差があるのでご注意を。しかしそれを突破すれば、異次元の素晴らしい空間に出会えるのです。

 

受付に向かって右手には、車イスでも入れる多機能トイレが設置されています。背もたれ付きの便器、上げ下げできる手すりなど充実した設備です。しかも、白と黒のモノトーンの配色がなんともオシャレ。

 

さあ、いよいよお食事です。ホテル内には「ザ・ラウンジ」と「ザ・レストラン」という2つのレストランがあります。気軽に訪れたいなら「ザ・ラウンジ」がよいでしょう。受付からの通路はバリアフリー。しかも床はレンガ敷きのため、車イスで楽々移動できます。「ザ・ラウンジ」はたくさんの緑に囲まれた吹き抜け空間で、様々なアートや洗練されたインテリアを眺めながらモーニングからランチ、ティータイム、ディナーまで楽しめます。

 

気を付けたいのは、テーブル選び。手前の席はテーブルの高さが低いので、少しかがみながら食事をしなければいけません。足腰が弱い人や車イスの人は奥の高いテーブル席がいいでしょう。事前に電話予約をしてその旨を伝えれば、適切な席を取っておいてくれるそうです。

 

「ザ・ラウンジ」ではぜひ、上を見上げてみましょう。そこには、アルゼンチン生まれの作家、レアンドロ・エルリッヒのアート作品「ライティング・パイプ」が……。エルリッヒが実際にこのホテルを訪れ、「かつてはこのように配管されていたのではないか」と想像をめぐらせながら、制作した作品だとか。

 

この日いただいたのはサラダランチ1600円(税・サ別)。群馬県産の新鮮野菜が、こちらもアートのように美しく盛り付けられていました。ちなみに一番人気は、ローストビーフが山盛りのボリューム満点「赤城牛のビーフカレー」。サラダ、スープ、ドリンク付きで3000円(税・サ別)です。

群馬野菜のデリサラダ(パンorライス・スープ・ドリンク付き)1600円(税・サ別)

赤城牛のビーフカレー(サラダ・スープ・ドリンク付き)3000円(税・サ別)

 

同ホテルのもう一つのレストラン「ザ・レストラン」はディナータイムのみの営業です。東京青山の「フロリレージュ」オーナーシェフ・川手寛康氏の監修のもと、群馬県の美味しい食材を集め、8品の美しいコース料理として提供してくれます。コースの料金は1万2000円(税・サ別)。

 

こちらのレストランは、キッチンを囲むようなコの字型のカウンター席になっており、イスは安定感のあるひじ掛け付き。実際に座ってみましたが、かなり座り心地が良いです。しかも、「事前にご連絡いただければ刻み食にも対応いたします。刻み食であっても、見た目は普通の料理と同じビジュアルに仕上げます」とシェフの片山ひろ氏。まさに至れり尽くせりです。

一つ問題があるとすれば、このレストランに行くには3段の階段があること。車イスの場合はスタッフが手伝ってくれるそうですので、レセプションでひと声かけてください。

令和3年は始まったばかり。新しい年には新しい場所に行ってみたいもの。前橋の新しいランドマーク・白井屋ホテル。アートと緑に囲まれた特別な空間をぜひ味わってはいかがでしょうか。

「ザ・ラウンジ」
モーニング 7:00-10:00(ラストオーダー 9:30)
ランチ 11:30-15:00(ラストオーダー 14:30)
ティー 15:00-17:00(ラストオーダー 16:30)
ディナー 17:00-22:00(ラストオーダー フード 21:00 ドリンク 21:30)

「ザ・レストラン」
ディナー 17:30-23:00(ラストオーダー 20:30)
※要予約:027-231-2020

白井屋ホテル
群馬県前橋市本町2-2-15
https://www.shiroiya.com/
027-231-4618

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