【アット】遊び感覚で機能訓練!

ココロアットホームのアクティビティ

ココロアットホームは毎日15時から30分間、アクティビティタイムを設けています。介護の世界で、アクティビティとは、利用者さんの心身と生活の活性化を支援することです。趣向を凝らした楽しいアクティビティを実施しているココロアットホーム。管理者の二星美樹さんにその内容を教えてもらいました。

 

聞き手/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

 

 

 

――なぜアクティビティタイムを取り入れるようになったのですか?

二星 ココロアットホームでは普段、個々に利用者さんのリハビリを行っています。「利用者さん同士の横のつながりも深めたい」と思い、14時30分からの体操と15時からのアクティビティタイムは集団での活動時間としています。

利用者さんの中には耳が聞こえない、目が見えない、片手が使えないなど、いろいろな疾患をお持ちの方がいますが、アクティビティタイムは、どんな方も一緒に楽しんでもらえるよう、スタッフが工夫を凝らしたアクティビティを準備しています。

 

――アクティビティの内容とは?

二星  内容は週替わりです。大きく分けると、「体を動かす」「頭を使う」「制作する」、この3パターンがあり、塗り絵をした次の週は、輪投げをする、といった具合に、体の違う部分を使うように心がけています。

 

――具体的に、これまで行ってきたアクティビティの例を教えてください。

二星 秋のイベントの際に行った「焼き芋掘り当てゲーム」。これは、段ボールの中に、新聞紙を丸めてつくった焼き芋を入れておき、それを探し出すゲームです。さらに、焼き芋の新聞紙をほどくと、番号が書かれた紙が入っていて、その番号の景品と交換するルールにしました。

 

――それは楽しそうですね。

二星 とても盛り上がり、拍手や歓声が沸き上がりました。チーム対抗で行うアクティビティも人気があります。例えば「お買い物ゲーム」。1チームは8~9人。まずは「チーズ」「パン」など食品名が書かれた文字カードを、隣りの人に次々と回していき、最後の1人が文字カードを絵カードに変え、逆のルートで回し返します。最初の人まで戻ったら終了。そのスピードを競うのです。

 

――チーム対抗でゲームを行うと、協調性が生まれそうですね。

二星 そのとおりです。掛け声をかけたりして、利用者さん同士、仲良くなります。また、お買い物ゲームでは、集中してカードを追う力や俊敏性、手や指を動かす力なども養われます。

チーム対抗戦では、「お金持ちゲーム」というのもあります。これは全員に紙でつくった1万円札を持ってもらい、相手のチームの人とジャンケンをして、勝ったらお札をもらう。最終的にどちらのチームのお金が多いかで勝敗を競います。

 

――ゲームのルールはシンプルなのですね。

二星 ルールを複雑にすると、「私は(加わらなくて)いいわ」と遠慮する方が出てくるのです。なるべくシンプルに、どなたでも気軽に参加できるのが成功の秘訣です。お金持ちゲームの最後には、勝ったチームの方に「今、〇万円(獲得した金額)あったら、何に使いますか?」と質問したりします。「孫にあげるよ」「温泉に行きたい」など、いろいろなお話が出てくるのでおもしろいですね。この辺は、司会進行を務めるスタッフの、盛り上げ力が問われるところです(笑)。

――体を動かすアクティビティはどんなものがありますか?

二星 先日、行ってとても人気だったのは「ドーナッツフリスビー」。ドーナッツの絵を描いた円盤を投げて、段ボールでつくった口の中に入れるというアクティビティです。いくつ入ったか数を競うのですが、体の自由がきく人は、距離を長くしたり、利き手でない方の手で投げるなどハンデをつけます。また状況に応じて、臨機応変にルールを変えたりします。

 

――ドーナッツがカラフルで、それを見ているだけで楽しい気分になりますね。

二星 アクティビティの道具はなるべく、スタッフが手づくりするようにしています。既成のものを使うのは簡単ですが、そうではなくて、ひと手間かけるのが大切。スタッフの想いが利用者さんにも通じるんですよ。

 

――このようなアクティビティはスタッフの方が考えるのですか?

二星 インターネットなどを参考にして、ココロアットホームの介護スタッフ8人が協力しながらつくり上げています。一番はみんなで盛り上がれること。そして、なるべく普段動かさない体の部分を使うようにすることを心がけています。アクティビティを通じて、遊び感覚で機能訓練ができれば理想的だと思っています。

 

――人の輪が生まれ、機能訓練につながり、笑顔が増える。アクティビティの利点がよくわかりました。これからもココロアットホームならではの楽しいアクティビティが増えることを期待しています。

 

 

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