雅楽川代表がCOCO-LOの働き方改革の成果を厚生労働省で発表しました

女性職場がうまくまわるカギを
雅楽川代表が厚生労働省でプレゼンテーション

厚生労働省では令和3年度からスタートする「第11次職業能力開発基本計画」を策定するため、今年10月、「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」を立ち上げました。同研究会での議論に向けて、厚生労働省から、「先進的な取り組みをしているCOCO-LOの話を聞かせてください」という依頼を受けて、雅楽川陽子代表が12月9日、プレゼンテーションを行いました。当日の様子をリポートします。

■取材・原稿/阿部奈穂子

これまでの実績を認められての依頼

 COCO-LOはこれまで厚生労働省から様々な表彰を受けています。
2013年には「キャリア支援企業表彰2013」厚生労働大臣表彰を受賞。企業の子育て支援を評価する「くるみんマーク」や「プラチナくるみんマーク」もいただきました。
さらに2016年には、スタッフの自立的なキャリア形成支援について、他の模範となる取り組みを評価され、「厚生労働省グッドキャリア企業アワード2016」大賞をいただきました。「小さな会社が、エヌ・ティ・ティ・データやキャノンなどの大企業と一緒に受賞させていただいたことは、私にとってもスタッフにとっても強い自信と誇りになりました」と雅楽川代表は振り返ります。
こうした受賞が新聞やマスコミに取り上げられ、COCO-LOの知名度は大きくアップしました。その結果、「この会社で働いてみたい」という応募者が増え、良い人材を確保でき、より良いサービスへとつながっているのだと言います。

「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」
14人のメンバーの前で……

そんな折、厚生労働省から雅楽川代表のもとへ、依頼が舞い込んできました。「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」での議論に向けて、「COCO-LOの取り組みをヒアリングしたい」という内容でした。働き方改革をいち早く進め、スタッフに寄り添ったしくみを次々と生み出しているCOCO-LOの現状をより深く知りたいという、ありがたい依頼です。「私がお役に立てれば」と、12月9日、雅楽川代表は東京・霞が関へ向かいました。
ヒアリングが行われた16階の会議室の窓からは、都会の高層ビル群がよく見えます。そこに、統括官、審議官、参事官を含む計14人が集まり、雅楽川代表のプレゼンテーションが始まりました。

独自のしくみに驚きの声上がる

まずは30分間、スライドを使い、2005年の創業時から取り組んできたCOCO-LOのしくみについて説明を行いました。様々な有給休暇制度、時間管理がしやすいCOCO-LO手帳、資格を取得することで給与があがる独自の資格制度、一人ひとりのスタッフの声を聞く社長面談、失敗から学ぶヒヤリハットカード、残業ゼロの企業体制など。その斬新な取り組みに時折、会場から驚きの声が上がりました。
「仕事の依頼はあっても、働く人がいないという人材不足に直面し、女性が仕事と家事・子育てを両立できるしくみをつくりました。女性職場は男性職場とは違う。でも、創業当時、日本では女性職場がうまく回るためのしくみについて書かれた本もなければ、それを提唱する人もいなかった。だから欧米の事例を参考にして、自分で考えるしかなかったのです」と雅楽川代表は力説しました。

従業員の声を聴くことがカギ

続いての質疑応答タイムでは、次々と質問者の手が上がりました。
「様々な手当を付けると、スタッフの基本給を高くできないのでは?」との問いに対しては、「良いサービスを提供し、施設の稼働率を上げることで利益率を上げ、スタッフの基本給を高く維持しています」と、ポジティブな循環が整っていることを説明した雅楽川代表。

特に、注目されたのは社長面談です。「社長がスタッフ一人ひとりの意見を聴くことは大変ではないか?」という質問に対して、「100人規模の会社なら無理なくできます。それ以上大きな会社でも、チームをつくり、リーダーがスタッフ一人ひとりの意見を聴き、上に伝えることはできます。上の人間がその声を共有することが大事」と雅楽川代表。
社長面談では、スタッフの現状を把握するだけでなく、彼女たちの秘められた才能を引っ張り出すことも目的だといいます。その才能を支援して、プロフェッショナルをつくりあげるのは雅楽川代表の得意とするところです。
「女性は出世や競争を望んでいない人が多い。それよりも自分の才能が開花することに喜びを覚えるケースの方が多いのです。女性職場の社長はその点をしっかり把握することが大切です」と言います。
重ねて、「社長にとって、従業員の声を直接聴くことは正直、怖いこと。だからと言って避けてはいけません。その声が、しくみや制度づくりに関しての重要なカギになる。COCO-LOのしくみや制度はすべて、スタッフの声から生まれてきたものなのです」と締めくくりました。

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