ケアマネージャーから見た介護予防のポイント【つまずいたら老化のシグナル?】

 こんにちは。ケアマネージャーの柿沼律子です。今回は「つまずきは老化のシグナル」というお話をします。
 「最近、つまずきが多くなった」「段差のないところでもつまずいてしまう」そんな方はいらっしゃいませんか。
 つまずきが原因で転倒し、骨折などしてしまうと、今までどおりの生活を送ることが難しくなってしまいます。最悪、寝たきりになることも……。つまずきには最大限の注意が必要になりますね。

原因は足が上がらないこと

 つまずきの原因のひとつとして、足がしっかり上がらないことがあげられます。自分では上げているつもりでも、実際は上がっていないのです。つまずきの症状は60代くらいからみられるケースが多いのですが、もともと膝が悪い人は、早めに症状が出てくるので注意が必要です。
 また、カラダが固い人はバランスを崩しやすく受け身も取りにくいです。そのため、つまずいた場合に大きく転倒してしまう危険があります。

「足が細くなった」は要注意

 では、どうしたらつまずきを予防できるのでしょうか? それは足の筋肉量を低下させないことが第一です。
 こんな心当たりはありませんか。
①最近、足が細くなってきた
②長い距離歩くのが辛くなった
③足がつりやすくなった
 
 いずれも足の筋肉量が減ってきたしるしです。ご自身の足をよく見てください。太ももに張りがなくなり、ひざ下が細くなってきたら、実は要注意なのです。

指輪っか検査をしてみよう

 目安としては、親指と人差し指で輪っかをつくり、ふくらはぎの一番太い部分を囲んでみましょう。
 こんな具合です。

 囲むことができた方は、足の筋肉量が落ちてきている目安です。このままどんどん筋肉量が落ちていくと、つまずきが出てくる可能性があるので、意識して、筋肉をつけるようにしてくださいね。
 また、足の筋肉量が低下すると歩行速度が落ちたり、疲れやすくなり、全体の活動量が減少します。
 活動量が減ると、お腹がすきにくくなり、食欲もなくなります。食欲がなくなると、さらに筋肉量も活動量も減っていきます。まさに負のループに陥っていく可能性もあります。

散歩や、ながら運動で筋肉量アップを

 では、足の筋肉をつける、筋肉量を維持するにはどうしたらいいのでしょうか?
 最も好ましいのは適度な散歩を続けることです。散歩というと屋外のイメージがありますが、家の中でも構いません。また、ショッピングセンターやスーパーに行き、快適な環境で歩くのもオススメです。
 カートや杖を使って歩けば、ふらつきを抑えられます。

 ながら運動もいいですね。例えば、歯磨きをしながら、あるいは台所仕事をしながら、かかと上げやつま先上げを10回~20回やってみる。テレビを見ているときも、CMのときは立ち上がって、足踏み運動するのも効果的です。

 先に、カラダの固い人はバランスを崩しやすく、つまずきを起こしやすいというお話をしました。そのため、お風呂上りにストレッチなどをしてカラダを柔らかくするよう、工夫することが必要です。

良質なたんぱく質摂取も大切

 
 また、筋肉量を増やすには良質なタンパク質を摂取することも大切です。筋肉はタンパク質からできています。
 一度の食事をご飯と味噌汁と野菜料理だけで済ませずに、肉や魚、卵、大豆、乳製品など良質なタンパク質を必ず加えるようにしたいものです。

継続するコツは?

 「さあ、今日から散歩やながら運動を頑張るぞ」と思った方は素晴らしい。ぜひ実行してみてください。問題は、それを長続きさせることです。
 こんな小さなコツで、長続きが可能になることがあります。
①散歩やながら運動をした日は、カレンダーに印をつける。
※人は成果が目に見えると、続けられるものです。また印のついたカレンダーを見て達成感も得られます。

②家族も一緒に取り組む。あるいは家族に応援してもらう。
※誰かと一緒なら楽しく続けられますし、それが無理なら、「よく続くねえ」「頑張るねえ」と言葉で応援してもらうだけでも、効果は違います。
③定期的に筋肉量を測定する。
※無料で筋肉量を測定してくれる場所が各市町村にあります(下記参照)。そこへ定期的に行き、自分の筋肉量がどのように変化しているのを知るといいでしょう。頑張る励みにもなります。

 群馬県民は車生活のため、足の筋肉量が少ない人が多いようです。意識して、筋肉を増やし、いつまでもイキイキとした生活を続けられるといいですね。以上、今回は柿沼が担当しました。

筋肉量を測定できる場所

血圧や活動量を計れたり、中には体組成計で様々な数値が計れる場所もあります。

群馬県
太田市総合健康センター  
☎0276-48-9090
桐生市保健福祉会館    
☎0277-47-1152
桐生市保健福祉部新里町保健文化センター   
☎0277-74-5550
桐生市保健福祉部黒保根保健センター    
☎0277-96-2266
桐生大学グリーンアリーナ       
☎0277-77-1616
みどり市笠懸保健センター  
☎0277-76-2510
みどり市大間々保健センター    
☎0277-72-2211
前橋保健センター 
☎027-220-5784
高崎市総合保健センター  
☎027-370-8822

栃木県
足利市保健センター
☎0284-22-4511

詳しくはお問い合わせください。

Top