【TOPICS】老後を楽しく過ごすために。先を見据えてできること。

この記事は、ココロ日和2019年夏号に掲載されたものです。

昨年の文化祭で、素敵なレース編みや組み紐で編んだかごを出品してくれた小島ハツ子さん、その腕前はまさにプロ級です。

ーいつから編み物を始めたのですか?

小島さん 8年前に脊椎間狭窄症を患い、動けない時期がありました。病気になる前は仕事ひとすじだったのですが、病気になったのを機に、この先思うように体が動かなくなったら退屈だろうなと考え、市内にある手芸店へ編み物を習いに行き始めました。先生やお友達の作品が素敵だったので、見よう見まねで夢中で編んだ結果、自分の作品がだんだん増えていきました。今は、前に一度編んだことのあるベストに再チャレンジしています。

ー完成が楽しみですね。以前は車を運転してお出かけしていたんですよね?

小島さん 最近免許を返納してからは、シニアカー※1 をレンタルしました。シニアカーは車より活動範囲がどうしても狭くなります。なので、返納前に車で近くの店の、どこに何が売っているのか見て回り、シニアカーでの生活に備えました。

ー先々を見据えて活動するしっかり者の小島さん。デイでは運動も積極的に頑張っていますね。身体が非常に柔らかいのですが、何か特別なことをされているのですか?

小島さん 自宅では、時間を見つけては手すりにつかまってスクワットをしたり、足を上げて運動しています。お風呂上がりのストレッチもずいぶん前から習慣として行っています。そのおかげで、足もずいぶん開くようになり、前屈では今でも床に手がつくんですよ。

「子供たちも頑張っているのだから、なるべく心配かけないようにいつまでも元気でいなくちゃね」と笑顔で話す小島さん。色々な事に日々、真剣に取り組む活力源は、小島さんの暮らしをサポートするお子さん達への思いがあるようです。
ご自宅の庭には、四季折々、美しい花が咲き誇っています。時々デイに持ってきては、皆さんを楽しませてくれています。



数年前に亡くなったご主人も、盆栽やお花が好きな人でした。小島さんがお花を植え、種や球根が増えるとご主人がそれを庭に植え、花が咲くと小島さんが植え替えて……とそれを繰り返しているうちに、お花がたくさんの素敵なお庭になりました。
「盆栽が得意だったお父ちゃんに、盆栽のこともよく聞いておけば良かったなあ。」その横顔には、誰にでも優しい人柄と、真面目に前向きに頑張る小島さんの今までの歴史が垣間見えるようでした。これからもお手本にしていきたいと思います!

※1 高齢者向けに作られた三輪又は四輪の1人乗り電動車両。日本の道路交通法では、車両ではなく歩行者扱いとなるため、車道ではなく歩道を通行する。

(取材/佐藤玲・星野笑美子)

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