COCO-LOのしくみを包み隠さず書きました! 働き方改革に悩む経営者に読んでほしい

COCO-LO代表取締役・雅樂川陽子が書いた本『働きやすさを本気で考えたら、会社の売上が5倍になりました。~女性9割・子育てスタッフ6割で実現する働き方改革』が6月7日、同文舘出版から発刊されました。働きやすい職場として、全国でも名だたる賞を受賞してきたCOCO-LO。どんなしくみや制度を設けることで、働きやすい職場になったのか、雅樂川さんが創業からこれまでの15年間を振り返って綴った1冊です。発刊を前に雅樂川さんにインタビューしました。
 
聞き手・構成/阿部 奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)
 

 

――まず、新しい本『働きやすさを本気で考えたら、会社の売上が5倍になりました。』を書くことになったきっかけを教えてください。

雅樂川 2016年に東京の品川区役所地域振興部から依頼があり、COCO-LOの働き方に関する講演会を都内で行いました。そこに、同文舘出版の社員さんが聴講に来てくださっていて。後日、その方から「これからの時代、COCO-LOのような働き方は絶対に必要になると思います。雅樂川さん、本を出しませんか」とお話をいただいたのです。
 ところがその頃、私は1冊目の本『ココロソダテ』を書いている最中だったので。2冊同時に書くことは無理だと思いまして、「今は難しいです」とお答えしました。そのため、「この話は多分、流れてしまうのではないかな」と思っていました。
 

――ところが流れなかったのですね。

雅樂川 『ココロソダテ』が発刊になったころ、再び、同文舘出版の方からご連絡があり、「そろそろいかがでしょう?」と、本を出すことを熱心に勧めてくださったのです。そこまで言ってくださるならと、出版することを決めました。
 

――1冊目の本「ココロソダテ」は雅樂川さんの想いを綴ったエッセー風の本でしたが、今回は完全なるビジネス書。書き方もかなり違ったのではありませんか?

雅樂川 そうなんです。出版社からは「とにかくCOCO-LOのしくみや制度を具体的に書いてください。包み隠さず、核心をついてください」という依頼が来ました。でも、自分の会社のしくみを発表するということは、同業他社に真似される心配があります。私が創業から15年間、いろんな問題にぶつかり、その中から考えに考えて、苦労しながらきずいてきたやり方を表に出して、COCO-LOにとって何のメリットがあるのだろう、そんな葛藤の中で半年を過ごしました。執筆も頓挫です。
 

――でも、「やはり出版しよう」と決めた理由はなんですか?

雅樂川 働き方改革がうまくいっているのは大企業がほとんど。中小企業の社長さんは「休みをとらせろ」「残業させるな」なんて言われているけれどできないよ、と頭を抱えている方が多いのです。COCO-LOのやり方を開示することで、少しでも楽になっていただければと思いました。
 振り返ってみると、私も他の社長さんからいろいろなことを教わってここまで来たのです。特に悩んでいた人事評価の方法は、群馬電機の上野会長に教えていただきました。そのご恩を世の中にお返ししようと考えたのです。
 もう一つ、私はビジネス書には大変お世話になってきました。経営で悩んだときは必ず本を読んだものです。でも、肝心なことを隠している本に出合うと、とても残念な気持ちになります。「あー、ここが知りたいのに…」と。そんな想いを読者の方に持ってほしくなかったというのも一理ありますね。
 COCO-LOのしくみをすべて表に出そう。そして、それをバネにして、もっと良いしくみをつくっていこうと、腹をくくりました。
 

――目次を見るだけで、ワクワクしてきますね。「女性が力を発揮できる職場の条件」「限られた時間で全力を出す!時短・効率化のしくみ」「評価せずに評価するCOCO-LO流・人事評価制度」などなど。

雅樂川 すべてさらけ出しましたから(笑)。当社は女性スタッフが9割の完全な女性職場。今までのビジネス書は男性職場をターゲットにして書かれたものがメインで、女性職場をうまく回すしくみについて書いてあるものはほとんどありません。だから、このような本を待ち望んでいた経営者の方も多いと思います。
 

――雅樂川さんはお忙しい中、いつ執筆していたのですか?

雅樂川 iPadプロを使って執筆していたので、移動の電車や飛行機の中など、すき間時間を使って書いていました。

あとは子どもが寝た後、深夜ですね。シーンと静まり返っている家の中は、集中できるので、サクサクと書けました。
 

――出版社からはじめの依頼が来てから約3年。出来上がった本を手にしたときの感想を教えてください。

雅樂川 いろいろ悩みながら書いた本なので、思い入れは格別でした。「やったー、完成したー」という喜びと共に、肩の荷が下りたという感じでした。そして、担当の編集者さんから、「雅樂川さんの本を読んで、私も自分自身の働き方を変えてみようと思いました」と言ってもらったのは嬉しかったですね。
 

――多くの皆さんにお読みいただけるといいですね。重版出来(じゅうはんしゅったい)をお祈りしています。

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