訪問看護ステーションココロの訪問カゴの中身は何? 3人の訪問看護師が座談会

参加者※左から
大圖百合子さん(看護師歴20年)
丹羽美礼さん(同12年)
北爪奈津子さん(同15年)
 

訪問看護師が利用者さんのお宅を訪ねるときに必ず持っていく訪問カゴ。その中身は、血圧計や体温計、テープやハサミなど基本的な約20のアイテムのほかに、実は、看護師自身のこだわりの品物が詰まっていると言います。そこで、「訪問看護ステーションココロ」の看護師3人が集まり、「私の訪問カゴの中身は?」をテーマに座談会を行いました。
 
聞き手/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

――皆さん、訪問カゴはどんなものを使っているのですか?

大圖 私は100円ショップで売っている、でも100円ではなく、300円の大型の買物カゴを選んでいます。取り出しやすく、中身が見やすいのがいいですね。色は黄色。黄色は私の元気カラーなんです。

 
北爪 私も訪問カゴは100均で用意します。大圖さんのカゴより、小さいタイプです。色はショッキングピンク。華やかな色のカゴを持って行くと利用者さんに喜んでいただけるので……。利用者さんは、私が持っているものや身に着けているものに、すごく反応してくださるんですよ。「その色素敵ね」っていうところから、会話が弾むことも多いんです。

 
丹羽 私も100均のカゴを使っていますが、色は決まって薄いピンクです。この色を持っていると落ち着くんです。そのほかに、足湯ができるバケツと手づくりした大型のケリーパット(洗髪用の枕)を必ず持って行きますね。

――訪問カゴの色にもそれぞれこだわりがあるんですね。では、肝心の中身についてうかがいます。医療処置用の基本アイテムは別にして、「私は必ずこんなものを訪問カゴに入れて持って行きます」という独自のお話をお聞かせください。

大圖 私はリハビリ道具をたくさん持って行きますね。例えば、ピロピロ笛(吹き戻し)。呼吸リハビリに最適なんです。ほかに、上肢の筋トレに役立つゴムチューブや、自分で手づくりした輪ゴムのリハビリグッズなど。あれもこれもと詰めているうちに、ついつい荷物が増えてしまい、大型のカゴが必要になっちゃうんですよ。

 
北爪 私は爪のケアをしてさしあげるのが好きなので、爪切りだけでも4、5種類持って行きます。手の爪と足の爪は、違う爪切りで切るんです。爪のやすりも、ガラス製と金属製と2種類。まるでネイリスト並みです(笑)。「足の爪を切りたいんだけれど、手が届かない」という方に喜ばれています。爪がきれいになると気持ちがいいものですよね。いっときはマニキュアも持参していました。

 
丹羽 私のこだわりは入浴剤ですね。香りの違うパウダータイプの入浴剤を10種類ぐらい常備しています。足湯のときに、その日の気分で香りを選んでもらうんです。あと、シャンプーやクリームは試供品をたくさん取っておいて、それを利用者さんに選んでもらって使うようにしています。「自分で選べる」というのは楽しいじゃないですか。そして、気に入ったシャンプーやクリームがあったら、「ここで売ってますよ」と教えてさしあげたりします。
大圖 クリームといえば、最近、見つけたヒット商品はジェル状のワセリン。寒い時期でも硬くならなくて、すごくよく伸びるんです。
北爪 そうなんですか。私はチューブ状のワセリンを使っているんですが、今度、ジェル状、試してみます(笑)。

――皆さん、すぐれものを見つけると、情報交換をなさったりするのですか?

大圖 そうですね。私たちはほとんど毎日、直行直帰なので、なかなか顔を合わせられないんです。でも時々、社内で出会ったりすると、すごいですよ。情報交換の嵐(笑)。
北爪 みんな100均、よく行きますからね。そこで、こんなものを見つけたとか、これは使いやすいとか。100均には利用者さんのお役に立つものがあふれているんです。私のクルマのトランクは、そんなお役立ちグッズがいっぱい詰まっています。
丹羽 私のクルマのトランクも、100均の商品でギューギューです(笑)。

――お気に入りの100均など、あるのですか?

大圖 介護系の商品は「ダイソー」が充実していますね。置いておくのに可愛い商品は「セリア」。穴場は大間々町の「ワッツ」。介護系の品ぞろえもよく、デザイン的にもおしゃれなものが多いんです。
北爪 欲しいものが見つかるまで、それらの店をハシゴしてしまうことがよくあります。

――日頃から万全に準備を整え、独自の訪問カゴをつくって、訪問看護に行かれているのですね。さすがプロフェッショナルです。皆さん、今日は楽しいお話をありがとうございました。

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