COCO-LOの創業は今から14年前の平成17(2005)年。当初は訪問看護の会社としてスタートし、その2年後に、半日タイプのデイサービス施設をつくりました。それが桐生市相生町の「ココロデイサービス」。同施設の人気は高く、12年が経った今でも定員はいっぱい。さらに利用待ちのお客様が大勢いらっしゃるとか。なぜ、これほど長い間、多くの方々から支持され続けているのでしょうか? 管理者・佐藤玲さんと理学療法士・八木聖子さんに取材しました。
聞き手/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)
――今、各地にデイサービス施設は増え続け、まさに群雄割拠の時代。カジュアルな施設から豪華な施設まで、さまざまな個性を打ち出しています。その中にあって、根強い人気を誇る「ココロデイサービス」。どんなところが人気の理由だと思いますか?
佐藤 半日タイプというのが第一の魅力だと思います。今でこそ半日型デイサービスは増えてきましたが、オープン当初は、桐生市内ではほとんど見かけませんでした。
利用者さんに伺うと、「午前中、家事を済ませてから、午後は施設でリハビリをする」という方や、「午前中、施設で過ごし、午後は趣味の時間にする」という声を聞きます。人生を豊かにするため、ここに通っていらっしゃる方が多いですね。
八木 ココロデイサービスの利用者さんは要支援1~2、要介護1~2の方が対象。お元気な方が多いので「一日中施設に居るのは長いなあ」「拘束されたくないなあ」というところでしょうね。
ここは、デイサービスというよりは、リハビリの場、情報交換の場ととらえていらっしゃるようです。
――リハビリと情報交換の場とは、実に前向きですね。では、リハビリではどんな特徴があるのですか?
佐藤 当施設には、理学療法士や作業療法士、看護師など、国家資格者が常駐しています。その道のプロばかりですので、利用者さんのその日の体調と一人一人のペースに合わせた運動を、的確にサポートできるのです。
例えば、「血圧が少し高いんだけど、運動しても大丈夫?」と聞かれたとします。その際は看護師が状態を見たり、血圧を測ったりした後、理学療法士と相談し、軽めの運動を提案したり、「今日は止めておいた方がいいですよ」と判断したりします。
不安要素を抱えず、安心してリハビリに取り組めるのが大きな特徴ですね。
八木 いろいろな人に合わせたプログラムを用意しているのも特徴です。
人にはみな生活の中でしなくてはいけない仕事があります。例えば、畑をしているAさんの場合、土の上では足元が不安定になりますし、中腰が多いので腰に負担がかかります。そのため、Aさんには足腰の筋力を維持し、向上させるプログラムを組みます。
パソコン好きで家ではほとんどデスクの前で動かないBさんの場合、階段の上り下りなど、足をなるべく動かし、しなやかな動作を保持するプログラムを用意していくといった感じです。
――先ほど、情報交換の場という言葉が出ましたが、利用者さん同士、仲が良いのですね。
佐藤 カフェコーナーや屋外のデッキコーナーでおしゃべりを楽しむ姿をよく目にします。「うちで採れたばかりだよ」と言って、新鮮な野菜を持ってきてくださる方もいます。みんなで茹でて食べたりして、アットホームな雰囲気です。
縫物が得意な利用者さんは雑巾を縫って来てくれたり……。「読んでおもしろかったから」といって本を寄付してくださる方もいます。お陰様で、ココロデイサービスの蔵書は300冊以上になりました。
八木 積極的にイベントも行っています。外食会や季節の花を見に行く会など。毎回10人前後、参加されますよ。
先日はショッピングセンターへ買物ツアーに行ってきました。一人暮らしで車がない方は、自由に買物できる機会が少ないので、とても喜んでいただきました。また、エスカレーターにタイミングよく乗る練習もしたりして(笑)。どこに行っても、ワイワイと賑やかで楽しいです。
――最後に、佐藤さんと八木さんがいつも心がけていることを教えてください。
佐藤 ココロデイサービスは、施設ではありますが、施設っぽくしたくないんです。だから、堅苦しい規則はつくらない。なるべく自由に好きなことをして過ごしていただきたいと思っています。第二の我が家だと思っていただくことが理想です。
八木 私も同感です。リハビリをさぼりがちな人には積極的に声がけはしますが(笑)。
――なるほど、リハビリを頑張る場であり、情報交換の場であり、第二の我が家でもある。その3点がココロデイサービスの人気の秘密のようですね。佐藤さん、八木さん、ありがとうございました。