銀行マンでバリバリ働いて来た川岸さん。定年を迎えた後も違うお仕事に就き、全国各地を飛び回るほど忙しい毎日を送っていました。
4年前、ご自宅のお庭で転倒。頚椎損傷と診断され、四肢麻痺も発症しました。主治医からは、「生涯車椅子生活」という言葉をはっきり言われたそうです。
事故直後は寝たきり状態で、介護5と判定されました。今までバリバリ働いてきた自分の体が、まさかこんな状態になるとは信じられず、受け入れられませんでした。
そんな川岸さんを変えるきっかけになったのは、事故後よく聴いていたラジオからの、「リハビリは裏切らない。」という永六輔さんの言葉でした。「自分を甘やかし、リハビリを辞めてしまえばそれっきり。でもリハビリを頑張れば頑張るほど身体に成果が出てくる。身体が答えてくれる。」川岸さんはその言葉を、日々忘れることはありません。
ストイックの毎日
ラジオを聴いてから、昔からストイックだった川岸さんが、更に自分に厳しくなり、リハビリを毎日死ぬ気でこなしました。
その結果、寝たきりだった状態から、トレーニングデイサービス(以下トレデイ)に通えるようになりました。退院してからも、お昼寝の時間を取らず、病院や施設で習ったリハビリを欠かしません。ストレッチはトレデイで学んだことを、ご家庭でも意識し行なっています。ご自宅には道具が一通り揃っています。「朝からとてもストイックにストレッチをしているところを見ると、毎日感心します。」と奥様。
事故後、しびれを取るリハビリの一環として始めた絵は、どんどん上達しています。以前は見る専門とのことでしたが、作品はどれもプロ級と拝察しました。
トレデイとの出会い
トレデイご利用時は毎回、運動を始めると最後まで自分の椅子に座ることがないほど、ずっとマシンに取り組み、いい汗を流しています。
運動時間がトータルで1時間を超えるよう、自分で計算をしています。スタッフから見ても、運動に対しての徹底ぶりは本当に感心ものです。
川岸さんは、ラジオからもう1つ、大切なことを聴いたそうです。それは「リハビリ士を選ぶことが大切。」ということ。川岸さんは「トレデイのリハビリスタッフのやり方が、自分に合っている。ここに来て受けるリハビリは、身体に良い。ここに来てよかった。」と話して下さいました。
終わりに
川岸さんは最後に、「今の自分がいるのは、妻の介護があってこそ。妻がいなければ無理でした。本当に感謝しています。」としみじみ奥様への感謝の気持ちを話していました。お元気そうに見える奥様ですが、若い頃大病を患い、川岸さんが奥様を支えていた時期がありました。自分が奥様を支えるつもりだったのが、自分が倒れてからは逆に奥様に支えてもらうことになり、お互いの気持ちがより分かるようになりました。「過去を改めて振り返ると、大病も悪くないね。」という川岸さんの言葉に、心を打たれました。奥様のために、奥様がいるから、ストイックに頑張れるのでしょうか。
いつも優しく周りに気を遣い、とてもジェントルマンな川岸さんは女性スタッフからもとても人気者です。