【迫力と笑顔と臨場感】「ココロデイサービス」で高校生が和太鼓演奏

桐生清桜高校和太鼓部の有志10人が8月、ココロデイサービスを訪れ、ミニ演奏会を開きました。約30分間で4曲を披露しました。迫力あるステージに、「感動した」「また来てほしい」と利用者さんは大満足だったそう。演奏会を実現させたスタッフのロン尚美さん、佐藤玲さんに話を聞きました。
■取材/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

揃いの紫の半被で舞い、叩く

—— どんな経緯でココロデイサービスでの演奏会が実現したのですか。
ロン 私の甥が和太鼓部に所属していたのがきっかけです。7月の桐生清桜高校の文化祭に行き、演奏を聞いたのですが、とても素晴らしくて。利用者さんにも聞かせてあげたいなと思ったのです。

—— 甥っ子さんを通して、「ココロデイサービスに来てください」とお願いしたのですか。
ロン そうです。デイのプログラムの一貫として来てもらえないかとお願いしました。そうしたら、「夏休み中なら大丈夫」ということで、急遽、演奏をしてくれることになったのです。

—— それはラッキーでした。当日は何人ぐらいの部員がいらっしゃったのですか。
佐藤 顧問の先生の引率のもと、10人の部員がマイクロバスで来てくれました。男子3人、女子7人です。和太鼓4台に加え、鉦や笛などの楽器や、揃いの紫色の半被も持参で。ありがたかったですね。

—— どんな曲を演奏しましたか。
佐藤 群馬の自然を表現した曲など、全部で4曲。4台の太鼓をみんなが交互に叩くのです。ドンドンドンという音、スピーディーな動き、それに威勢の良い掛け声が加わり、迫力満点でした。特に、アンコールで演奏した曲「利根」は力強くて、印象に残っています。

元気をもらって
さらに長生きできそう

—— 利用者さんの反応はいかがでしたか。
佐藤 前の週から告知し、楽しみに待っていた方が大勢いました。当日は台風の影響で雨が降ったりやんだりの天候でしたが、お休みする方はほとんどいませんでした。演奏中は本当に楽しそうな様子で。

ロン おじいちゃん、おばあちゃんのお顔になっていましたね。私たちと接するときとはまた違う、お顔でした。体もしゃんとして若返ったような。

佐藤 「うちの孫よりかわいい」なんておっしゃる方もいましたね(笑)。演奏が終わったら、「良かったよ」「感動したよ」と部員たちに握手を求める人が大勢いました。

—— 高校生のパワーが利用者さんにとって良い刺激になりましたね。
ロン はい。「元気をもらってさらに長生きできそう」なんて声も聞きました。感動のあまり、涙を流している方もいました。その涙を見て、私たちスタッフももらい泣きしたり。いま振り返っても素敵な時間でした。

佐藤 和太鼓部の部長の小幡鈴蘭さんは「練習は大変ですが、喜んでくださるお客様を見るのがうれしい。それがやりがい」と言ってくれました。

—— 和太鼓の難しさはどのあたりなのでしょう?
ロン 甥っ子いわく、「楽譜が無いので、耳と体で曲を覚えるのが大変」だと。体力も相当使うでしょうし。

—— 今後もこのような演奏会が行われるといいですね。
佐藤 本当は利用者さんを外にお連れしたいのです。外には刺激がたくさんあるので。でも、時間的な制約もあり、なかなか気軽には出かけられません。学生さんたちがデイサービスに来てくれる、このような機会は本当に貴重です。これからもできる限り、いろいろな方にお出でいただければと思います

桐生清桜高校和太鼓部
令和5年度、「全国高校生太鼓甲子園」本戦出場、県高等学校総合文化祭郷土芸能専門部大会第2位と輝かしい記録を残す。現在、部員は約20人。

主な活動内容
・各種コンクールへの出場
・地域のお祭りやイベントへの出演
・福祉施設やこども園等への訪問演奏

ココロデイサービス
定員20名、半日タイプのデイサービスです。
運動器具やリハビリ職スタッフとの機能回復訓練でリハビリに没頭する時間を作ります。

〒376-0011
群馬県桐生市相生町2丁目261-3
0277-46-7008
8:30~17:30 (土・日・祝休)

詳しくはコチラ

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