「ココロデイサービスまえばし」で初の納涼祭!

昨年秋にオープンした「ココロデイサービスまえばし」で、初の納涼祭が行われました。館内にはお祭りの装飾が施され、射的やかき氷、フランクフルトなどの屋台が並び、大きなステージが設けられ、いつものデイサービスとはまるで異なる空間に……。そこで演じられたアコーディオンや和太鼓演奏、そしてソーラン節の演舞。利用者さんたちからは「こんなに盛大なお祭りだとは思わなかった!」という嬉しい声が上がりました。50人の利用者さんファミリーと20人のスタッフが参加した夏の楽しい一日をリポートします。

取材・撮影/阿部 奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

屋外と屋内
両方使った祭にしたい

 今年からCOCO-LOの納涼祭は桐生市と前橋市の2ヵ所で行われることになりました。昨年秋に「ココロデイサービスまえばし」がオープンし、前橋の拠点が生まれたためです。
 桐生は、桐生市総合福祉センターをお借りしての開催でしたが、前橋は、ココロデイサービスまえばしが会場となりました。デイサービス内は、約90畳の大空間が広がっているため、大きなステージと観客席を設けて、ホールのように利用することが可能なのです。
 「初めての前橋での納涼祭。屋内と屋外、両方を使って楽しんでいただこうと、5月から計画を立ててきました」と納涼祭リーダーで、作業療法士の齋藤雅代さんは力を込めます。
 スタッフの熱意に天気も味方をしてくれたのでしょう。当日は台風6号が本州に上陸という悪条件でしたが、前橋の空は晴天。夏の日差しを浴びながら、最初のプログラムであるスイカ割りが屋外で行われました。
 目隠しをした挑戦者たちが、周りの声を頼りに、大きなスイカめがけて棒を振り下ろします。7人目で真ん中から、キレイに2つに割れたときは、参加者から大きな拍手が沸きあがりました。

アコーディオンの演奏に
歌声と拍手。会場が一体に

 ステージ発表も見ごたえ抜群です。まずは、前橋アコーディオンサークルの6人のメンバーによる演奏です。知床旅情、月の砂漠、故郷など、お馴染みの曲12曲が披露され、観客席からはそれに合わせて、手拍子や歌声が……。館内が一体となった素晴らしい時間でした。

 前橋アコーディオンサークルの大平啓子さんは「すぐ目の前にお客様がいらっしゃるので、会話をしながら、楽しく演奏ができました。館内は音響がいい上に、内装もキレイでとても気持ちが良かったです」と話してくれました。

 演奏者の方々が軽快に操っていたアコーディオンですが、聞けば、10キロ以上の重量があるそう。日ごろからの練習の積み重ねがあってこそ、あのメロディーを奏でることができるのだと思い知りました。

暑さをスカッと吹き飛ばした
上州榛東ふるさと太鼓

 続いて、ステージでは「上州榛東ふるさと太鼓」の準備が始まりました。ステージには、直径1メートルの大太鼓と10台の和太鼓が運び込まれます。

 上州榛東ふるさと太鼓は、平成2年に発足した和太鼓の会で、現在、25人の会員が所属しているそうです。その中から、小学生メンバー10人と大人メンバー2人が駆けつけてくれました。大人の1人はALT(外国語指導助手)として来日しているアメリカ人だとか。


 いよいよ演奏スタートです。凛とした表情で太鼓を叩く演奏者たち。鷹、祭という和太鼓のスタンダードな2曲を披露してくれました。バチさばきも舞いも見事です。
「すごい」「迫力満点だね」「かっこいい」「スカッとするね」「小学生の子どもたちの演奏とは思えないね」、利用者さんとそのご家族からはそんな感想が寄せられました。

スタッフ6人
練習を積んだ南中ソーラン節

 「和太鼓の次の演目だから、緊張しますね」と言いながら、ステージに上がってきたのは、ココロデイサービスまえばしの女性スタッフ6人です。

彼女たちが披露したのは「南中ソーラン節」。北海道の民謡・ソーラン節を民謡歌手の伊藤多喜雄さんがロック調にアレンジした曲を使った踊りです。北海道の稚内市立稚内南中学校の先生と生徒が考案したことから、南中と名付けられているのだとか。
 ソーラン節は漁の歌なので、網たぐりや網引き、網投げなどを模した踊りが次々と出てきます。汗びっしょりで踊り切ったステージ上のスタッフたち。

 「利用者さんから、『スタッフさんは何か出し物をしないの?』と聞かれたので、1カ月前に演目を決め、YOU TUBEを見ながら、お昼休みにみんなで練習を続けてきました。手や足の動きを揃えるのが難しかったけれど、無事に披露できて良かったです」と理学療法士の深津典子さんは満面の笑顔です。
 初めてのココロデイサービスまえばしの納涼祭。スタッフによる手づくりの温かさに触れ、利用者さんもそのご家族も、心に残る素敵な一日になったようです。

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