COCO-LOでは事業所ごとに、利用者さんとスタッフでお出掛けをする事業所イベントを年に1度、行っています。5月18日には、「ココロデイサービスまえばし」と「訪問看護ステーションココロまえばし」が合同で、赤城山南麓の「ぐんまフラワーパーク」で楽しい一日を過ごしました。
取材・撮影/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)
施設の中とは違う顔
に出逢える!
COCO-LOが創業して間もない頃、ある利用者さんが「みんなでわたらせ渓谷鉄道のトロッコ電車に乗りに行こうよ」と提案してくれました。「いいね、楽しそうだね」ということで、利用者さんとそのご家族、スタッフが揃って、春の一日、トロッコ電車の旅を満喫したといいます。「そのときの利用者さんたちの笑顔が忘れられません。施設の中で見るのとはまた違う、伸び伸びとした開放的な表情が印象的でした」と、COCO-LO代表取締役の雅樂川陽子さんは振り返ります。
車イス生活だったり、体に痛みがあったりすると、ついつい家にこもりがちになってしまいます。出掛けるとしても行動範囲が狭くなるのは仕方のないことです。ご家族も、「お父さん、お母さんをどこかに連れていってあげたい。でも、外出先で何かあったらどうしよう」と不安に思うケースが多いようです。
そこで、COCO-LOでは、事業所ごとに、利用者さんとそのご家族、スタッフで一緒にお出掛けをする「事業所イベント」を年に1度の恒例行事としました。介護のプロが付き添うので、利用者さんとそのご家族には何の心配もなく、楽しんでいただけますし、外出先では、お互いの違った顔を見ることができます。より一層コミュニケーションが深まるのは間違いありません。
満開のツツジや山野草に
囲まれて
5月18日には、「ココロデイサービスまえばし」と「訪問看護ステーションココロまえばし」が合同で、春の花が咲き乱れる「ぐんまフラワーパーク」へ出掛けました。参加者数はなんと90人、大賑わいです。
この日の気温は22度、暑くもなく寒くもなく絶好の行楽日和。「時折、涼しい風が吹いてきて、とても爽やかですね」と女性利用者Aさんはニッコリ。
園内では、4、5人ごとのグループに分かれ、広い空間を自由に散策しました。80種約8300株のツツジはまさに今が見ごろ。また、パンジーや山野草などの小さな花も可憐な美しさです。
利用者さんたちに人気だったのは、花々の中に「令和」の文字が飾られた撮影ゾーン。
令和ブームが熱を帯びている今、ここで撮った記念写真は後々まで良い思い出になりそうです。また、エレベーターで展望台に登ったり、園内をぐるりと一周めぐるチューチュートレインに乗ったり、思い思いの時間を過ごしました。
懐かしのフォークソング
の生演奏に感激
嬉しいサプライズもありました。お昼近くに、入口付近の大きなステージで、フォークデュオ「風車ブラザーズ」による生演奏がスタートしたのです。懐かしの名曲を次々に披露した後、客席に向かい、「何か、リクエストはありますか?」と問いかけてくださったところ、利用者さんから「(村下孝蔵の)初恋をお願いします!」という元気の良い声が上がりました。メロディーに合わせて、手拍子をしたり、一緒に口ずさんだり。美しい花と爽やかな音楽との共演は、利用者さんたちの憩いのひとときとなったようです。
その後、みんな一緒に和気あいあいと昼食を食べ、お土産を買い、14時ごろに解散となりました。
利用者さんの感想は
「最高中の最高!」
「今回のお出掛けイベントは2つの事業所での共同開催だったため、参加者の人数がとても多い。事故が起きないよう、ケガ人が出ないよう、今年2月に企画を立ててから、何度もスタッフ間でミーティングを繰り返してきました」と、ココロデイサービスまえばしの村岡瑞基さん。その甲斐あって、ケガ人もトラブルもゼロ。
参加した利用者さんやご家族からは、「こんなきれいなお花を見られて幸せ」「心に残る楽しい1日」「最高中の最高」といった嬉しい感想が寄せられました。その声が、COCO-LOのスタッフにとっては何よりの励みになるのです。「来年も今年以上に盛り上がるイベントにするぞ」、早くも次回に向けての計画づくりに取りかかっているようです。