ココロ文化祭を支えた 3人のサポーターを紹介します!

12月9日、有鄰館(桐生市本町)で行われた「ココロ文化祭」。当日は、利用者さんが制作した300点以上の作品が展示されたほか、ワークショップや野菜の販売、音楽ステージなどで大いに賑わいました。文化祭大成功の裏には、準備や運営に力を貸してくださった多くのサポーターがいます。その中から、個性的な活動で応援してくれた3人のサポーターを紹介します。

取材/阿部奈穂子(オリーブ・アンド・パートナーズ)

作業療法士の知識を
活かしたキットを作成!
鈴木紀子さん

 サンタクロースや雪だるま、星など、会場のあちこちに飾られたクリスマスのオーナメント。

 
とてもセンスが良く、会場をオシャレな雰囲気に演出してくれました。これらはみな、利用者さんたちが何日もかけて手づくりしたものですが、その元となるキットを用意してくれたのは、作業療法士の鈴木紀子さんです。
 

 
 鈴木さんは静岡県磐田市で、工房「ベルクラフト」を運営しています。作業療法士の知識を生かして、リハビリ用創作活動用品の企画や製造を行う工房です。
 「ココロ文化祭用のオーナメントキットをつくる際に気を付けた点は、出来栄えのレベルの高さです。子どもっぽいものはNG。今風の洗練されたデザインの型紙をつくりました」と鈴木さんは言います。
 また、「1つのオーナメントを完成させるには、切る、貼る、折る、組み立てるなど、さまざまな工程が必要です。障害を持つ人は、障害の種類や程度によって、できる作業とできない作業があるものです。そこで、工程を細分化し、この作業はこういう人に向いているという難易度を示す説明書を、各キットに付属させました」と鈴木さん。
 利用者さんにとって嬉しいキットですが、実は、COCO-LOのスタッフにとっても非常に有難いキットだったそうです。「利用者さんにオーナメントづくりを楽しんでもらいたいけれど、その準備はなかなか大変。どんなモノを揃えたら良いかというリサーチから始まり、必要なものを全て買ってくる、つくり方の手順を考えるなど、やるべきことがたくさんあります。鈴木さんのオリジナルキットはそれらがすべて揃っており、スタッフの負担が軽減されました」とCOCO-LO代表取締役の雅樂川陽子さんは話します。
 


 
 文化祭の当日、鈴木さんは静岡県から駆け付け、クリスマスツリーやクリスマスカードをつくるワークショップを担当してくれました。しかも、わかりやすく丁寧な解説付き。なんとも心強いサポーターです。

大流行中のハーバリウムの
ワークショップを開催!
手塚陽子さん

 鈴木さんのワークショップに隣接するブースで、ハーバリウムのつくり方を伝授するワークショップを開いてくれたのは、桐生市相生町の「atelierVOSSA」オーナーの手塚陽子さんです。
 

 
 COCO-LOのスタッフが、「今、大流行のハーバリウムを利用者さんに知ってもらい、楽しんでほしい。誰か教えてくれる人はいないだろうか」と探していたときに、気持ちよく手を挙げてくれたのが手塚さんでした。
 ハーバリウムとはボトルの中に、押し花やブリザーブドフラワーを入れ、専用のオイルで満たした植物標本。部屋をさわやかに彩るインテリアになります。当日は、子どもから高齢の方まで多くの来場者がハーバリウムづくりに挑戦。手塚さんのブースからは終始、「わー、素敵」「きれいねえ!」という声が響き渡っていました。

かぎ針編みで
来場者にクリスマスプレゼント!
堀越和男さん

 3人目のサポーターは、利用者の堀越和男さんです。文化祭当日は、会場の中央に、堀越さんがかぎ針で編んだベストやカーディガン、編みぐるみ人形などが数多く並んだブースが設置されました。その作品はまるで既製品のような完成度の高さです。台の上には、「お好きなものがあれば、ご自由にお持ち帰りください」と書かれたクリスマスカードが……。
 「本当にいただいていいんですか?」「嬉しい!」、堀越さんの作品を手に取り、満面の笑みを浮かべる来場者たち。堀越さんは在宅酸素療法で、治療中のため、文化祭にはいらっしゃいませんでした。でも、「することがなくて始めた編み物ですが、編んでいる間は無心になれて、嫌なことも忘れられます」というほほ笑ましいメッセージを寄せてくれました。
 堀越さんをよく知るCOCO-LOのスタッフ・清水純子さんは「堀越さんは男性なのに、とても手先が器用で、かぎ針を動かす速さもスピーディー。みるみるうちに素晴らしい作品をつくり上げます。我が家の子どもにも10体以上、ウサギや羊などの編みぐるみ人形をプレゼントしてくれたんですよ」と話します。

 
 堀越さんの優しさがにじみ出ている作品は、来場者の皆さんへの素敵なクリスマスプレゼントになったようです。

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