作品づくりをリハビリに

この記事は、ココロ日和2018年夏号に掲載されたものです。

4年前から訪問看護にてココロを利用している岡田さん。
36年前に脊髄小脳変性症を発症してからご自宅で過ごされていますが、今では料理をご自身で作ったり、映画鑑賞などで外出されたりと、とても活動的です。

上肢の動きや、物をつまむことが少し大変な様子で、上肢や手指の練習の一環として作品を作成しています。その中でも、里帰り出産で生まれたお孫さん(男の子)のために作成した鯉幟は、とても喜んでもらえたそうです。お孫さんが喜ぶ様子を見て岡田さん自身も嬉しくなり、その後の糧にもなっています。針を使って作業するには少し不安もあり、布用ボンドを利用して細かいところも工夫して制作しています。飾り付ける際の色合いにも気を配り仕上げるほどの腕前です。

岡田さんのお宅には食卓や壁、お手洗いなどに手作りした作品が色々と飾られています。3月には雛人形、4月には桜、5月には薔薇など年間を通して四季を感じられるようにすることで、お家の中はぱっと明るくなるそうです。ご家族や友人の方に見ていただき、声をかけていただくことも楽しみだとおっしゃっていました。

ちりめん細工作品のリハビリポイント

つまむ 生地を持って作業をすることで、つまみ動作の力を獲得できます。

はさみ 握りの練習だけでなく、色々な布や紙を切ることで感覚の練習にもなります。また、線に合わせて切ることで協調性が獲得できます。

張り合わせる ボンドやノリをつけるのは意外と大変です。出す量の調節により力の強弱を身につけられます。

(担当作業療法士/齋藤雅代)

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